瞑想状態と瞑想崩壊状態が融合する映画【TENET】

瞑想状態と瞑想崩壊状態が融合する映画【TENET】を観ました!!

この監督はどこかの境地にいると思う。
世界を観ている景色が自分とさ違う。
エゴ(無知)によって歪んで世界を眺めているのとは明らかに違う。
ありのままをもう1つ上の階層から観ているように感じるのです。

もう長いこと哲学などの考えにどっぷり浸かっていて
真理と実践を通じて物質世界を観ていると、
最近は特に自分が違う階層から世界が覗けている気がしています。

しかし、この監督が観ている世界は、
さらに上を行っているようにも感じるし、
作品を通じて監督の目線から世界を眺めた景色が
観れることは何よりも感動なのです!!

この監督・・・

【クリストファー・ノーラン】監督は、
2001年のメメントの中で、撃たれた銃弾が逆行するシーンがあり、
そのあたりから【TENET】のイメージがあったとインタビューで答えていました。

バッドマンシリーズ2005年【ビギニング】2008年の【ダークナイト】、
そして2012年の【ダークナイトライジング】と、
ガツンと痺れる3部作だったのを覚えています。

2010年に【インセプション】、2014年に【インターステラ】、
2017年に【ダンケルク】と来て、2020年に【TENET】登場です!

主演の”名もなき男” を演じるのは、
ベンゼル・ワシントンの息子のジョン・デヴィッド・ワシントン。

オープニングを観た時に、
「キターッ」って思ってしまったのは、
アメリカのドラマ『ballers/ボウラーズ』を見ていて、
彼が素晴らしい演技をしていたから。

どうやら、クリストファー・ノーラン監督も同じで
『ボウラーズ』を見て彼をオファーすることを決めたのだとか・・・

【TENET】の話に戻ります!

どうして、自分がこの監督作品に惹かれているかと言うと、
奥にあるテーマが『時間』だから。

我々は、昔も今も1日が24時間を同じスピードで過ごしているようで
実はまったく違う時の流れに生きています。

昔のテレビ番組や映画の内容と、
今の映画と比べて展開スピードが全然違うのは何故でしょうか。

現代の映画も音楽も、乗り物でも何もかもが、
異常なほどに展開スピードが早くなっているのです。

我々、観る側の『時間』の受け取り方がこの30年だけで変わってしまっているし、
100年などのスパンでみると、遥かに違うのでしょう。

『時間』の受け取り方とは、
【マインドスタッフ(心の働き方)】の変化ともいえます。

この世界でマインドの働きを扱っている職業は、
自分を含めてヨガに関わる人々以外にもいたりします
(マインド世界とまったく無関係のヨギもいたりしますが・・・)。

何かに深く集中しているときは時は、一瞬で時は過ぎ去ります。
また、退屈な時などは1日がとても長く感じることもあります。

我々は【マインドスタッフ】と言う名前のメガネをはめて生活しているので、
そのメガネに映る世界は一瞬ようであったり、ゆっくりであったりします。

交通事故などの瞬間には脳が覚醒して時が止まったかのようにスローモーションになったりします。

すべてマインドの働きの仕業なのです。

時間の話をすると、中学生の頃を思い出します。
当時、バスや地下鉄を使って学校に通っていたのですが、
しょっちゅう降りる駅を見過ごしていました。
バスや電車の移動時に雑誌や漫画本を読むのですが、
次第に周りの景色は消えさり、時の感覚も無くなり、
ハッと気づいた時には降りる場所は過ぎ去られている・・・ということがよくありました。

その後に考えたのです!

本の物語の中のスピード(時間の流れ)、
周りにいる人々の時間の流れ、止まったかのような自分の時の流れ、
移動しているバスが停留所に停車する時間の流れ、何か異なる匂いというか、
それぞれが違う生き物のように感じたので、これらは何であるのだろう?と、疑問に思ったのを覚えています。

映画【TENET】は、
自分にとってまったく新鮮な時の流れの概念(心の働き)をもたらせてくれました。

最近読んだ本で知ったのですが、
古代の人々はまた異なった時への概念を持っていたそうです。

ヨガの経典を理解しようとする学びの中で、
自分が大事にしているのが、古代の人々の生活様式や彼らの概念です。

科学が解明されていない時代では、我々の当たり前の概念も今とは異なり、
使われている言葉も意味が違う場合があると思わないと勘違いしてしまいます。

古代メソポタミアにおけるシュメル人達の楔形文字から解明したのは、
彼らは今を基準にして時を進めるときに過去に進んでいく表現をとったそうです。

シュメル語における時間の表現は、
「後ろ向き」の時間・歴史観を表しているそうで、
過去は「前」や「顔」を表す文字で、未来は「後ろ」や「背面」という語で表されていたと言うのです。

時が過ぎていくということすら1つの概念(心が働いて作った形)ということです。
今という瞬間がズレていくように考えると、今の意識は過去へと向いて進む感覚になるというのでしょうか?

この感覚? あっ!!

これって【TENET】の映画の中で登場する世界観と似ているかも・・・!!


概念というのも心の働きで生まれたもので、
時というのも心の働きが作りだすもので、
そういった既定概念が壊されつつ新しいものが構築されていく・・・

脳内で瞑想状態と瞑想を壊すものが同時に起こる。

最初はその状態に酔ってしまったのですが、
慣れてくると心地よくなっていく・・

そんな映画だったのです!!

自分は最近また映画マトリックスの3部作を鑑賞し直したのですが、
ノーラン監督の作品もまた見直したくなりました!

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