★ チダンバランのナタラージャ寺院⑤ ★
本堂でのプジャが終わると、隣で本日のメインイベントの始まりだ。
そのイベントの名前はホーマという。
中国に渡り、空海によって日本にも5世紀に伝えられたものだ・・・
宛て字で護摩業(ごまぎょう)と呼ばれる。
京都や高野山でもされているようだ。
自分が知ったのは、手塚治虫のブッタの中でだった。
ブッタのいた紀元前5世紀(2500年前)よりも前には、
火を神として祀るバラモン教がポピュラーだったようだ。
その儀式を特別にしてくれると言うのだ。
有料で!!(笑)
300人いる司祭達も寺院の維持が大変なんだろう…
とは言っても、普通はしてもらえない火の儀式や、
入ることの出来ない本堂の中に入ることなどが
経験できてしまうのがこのヤトラの巡業の旅の凄い所なのだ!!
四本の柱の真ん中に四角い火を燃やす台が置かれ、
四本の柱の外側には紐が張られて、その紐には葉っぱがぶら下がっている。
日本だったら、白い四角いのが連なった紙なんだろう。
我々は火を燃やすであろう台を囲って座った。
司祭達はずーとマントラをチャンティングをしている。
我々は、
右手をグーにして手を広げた左手の上に置き、それをひざの上に固定する。
握りこぶしに願いを込めながら、司祭と一緒にチャンティングするのだ。
プジャには主に2種類あるようだ。
火を使ってするのをホーマといい、水を使ってするのをアビシェイカムという。
炎のプジャは手間がかかるからこういう時だけするのだそうだ。
最初からずーっとチャンティングしっぱなしだ。
お供物の食べ物や、木材がどんどん燃やされていく。
最後は煙となり、プジャは終わっていくのだ・・・
しかし、これでプジャは終了ではない…
火の儀式はオプションなので、これから本来の水の儀式、アビシェイカムが始まるのだ。
早朝に運ばれた金の箱が開けられて、
何重にもおおわれた装飾品がはずされていく。
最後に登場するのがクリスタルのリンガだ。
瓶にくまれた水やココナッツミルクや花やら色々用意されていく。
そのクリスタルのリンガに上から聖水をかけていくのだ。
こぼれ落ちた聖水はうまいこと専用の水路をつたって本堂から外にこぼれ落ちていく。
熱心な参拝者はこぼれ落ちていく聖水やココナッツミルクを飲んだりしている。
そして何よりも凄いのが、この水で清める儀式、
アビシェイカムは毎日6回も行われているのだ!!
なんと熱心なことだろうか!!
日本の寺院でも毎日決められた儀式を熱心に繰り返しているのだろうか?
お坊さんと言えば、夜の繁華街での水(酒)の儀式の話ぐらいしか噂に聞かないが、
普段の仕事ぶりについて自分は何も知らないのだ・・・
と、言ってもインドの寺院にいる人達ものんびりしているけど・・・
わざわざ針路を変えてバスで遠回りしてこの町に来たかいがあったといえる。
やはり、意味や背景を知らずして参加しても記念としては残るけど、経験として残らない。
ヤトラの素晴らしい旅は続く・・・
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