シャンパーニュ①と②では、いきなり難しい内容からのスタートでした。
ソムリエ試験の過去問なども見ながらこういった情報があるんだなと知ることも大事です。
多くの人が、シャンパン(シャンパーニュ、泡)といったら、
『モエ』とか、『ヴーヴ』とか、『ドンペリ』などの大手の会社の物しか知らないからです。
だからこそ、「華やかなイメージ」の印象があるのかもしれません。
確かに、お祝いでの乾杯の一杯のイメージといえば、シャンパーニュ!!
シャンパーニュを飲み慣れてくると、大手メゾンの泡はほどんど口にしなくなります。
しかし、まずは知っている(飲んだことのある)味を基準として学んでいくことができます。
大手の物の味わいのイメージは一言でいうと、「ドサージュ多め」です。
ドサージュとは加えられた糖質のこと(糖分添加)ですが、
大手のメゾンのこの甘さによって酸味が和らぎ飲みやすくなっているのは事実です。
しかし!
ドサージュを控えた先にある味わいにこそ、シャンパーニュの豊かさがあるのだと思いますし、
大手メゾンも年々ドサージュの量を減らしているのがトレンドなので、
昔飲んだシャンパンの甘いイメージは今だとないかもしれません。
1800年代(幕末)の徳川武士たちがシャンパンを飲んだと1回目でお伝えしましたが、
150年前の沈没船から見つかった未開封のシャンパーニュには何と!
1リットル200gのドサージュがあったそうです。(もう、デザートなワイン!)
シャンパーニュのラベルの裏を見ると、Extra-Brut(エクストラ・ブリュット)、Brut(ブリュット)、
などの表示を見つけれます。これが、どれほどの糖分添加をしているかを表しています。
極辛口 Brut Nature(ブリュット・ナチュール)→3g /L 以下
極辛口 Extra-Brut(エクストラ・ブリュット)→6g /L 以下
辛口 Brut(ブリュット)→12g /L 以下
中辛口 Extra-Sec(エクストラ・セック)/Extra-Dry(エクストラ・ドライ)→ 12〜17g /L
中甘口 Sec(セック)→17〜32g /L
など、辛さから甘さがわかります。
35年前の1988年のフランス政府基準値では、
辛口に当たるBrut(ブリュット)が12.5〜14g /L だったようで、
同じ辛口でも現在の規定よりも甘いのが普通だったようです。
有名な大手メゾンである『モエ・シャンドン』でも、2011年に、
Brut Inperial の基準ドサージュ量を
12gから9gに減らしてより辛口にしたそうです。
甘みが減ると、ブドウの個性がよりはっきりとするのでトレンドとしては辛口が人気になっています。
大手メゾンは、前回などで紹介したグランクリュ(最高位の畑)エリアのブドウを大量に抑えていますが、
ブレンドしてしまうので、味として地域のブドウの個性がはっきりすることはないのが特徴です。
ちなみに、上に登場した大手メゾンである『モエ・シャンドン』は、自分の知る限りだけで、
アンボネイ村、ブジー村、アイ村、クラマン村、アヴィーズ村、オジェ村、メニル・シュール・オジェ村、
などなど代表的なグランクリュ村のブドウは全部押さえているのではないかと思われます!
全世界どこでも均一の美味しさを安心して手にすることができるという凄さはありますけど。
ブランドが有名で、一口目の味が均一なのは凄い良い点であり、
同時に裏に悪い点を含んでいることも事実です。
シャンパーニュ地域の色々な村のブドウを混ぜているので、
有名な村(グランクリュ)のブドウはほどんど使っていないのです。
1つの生産者でも出している泡に何種類かあります。
一般的に見る商品はスタンダード・キュヴェといいますが、
残念ながらグランクリュのブドウは全く使われていません。
グランクリュのブドウが使われるのは、
その会社の最高峰のプレステージシャンパーニュのみなのです
この有名生産者の味を基準として、
5つのエリア(代表的なのは3つ)の17のグランクリュのある村の味わいを楽しみ、
小さな生産者のちょっといいブドウを使ったシャンパーニュを見るけるのが、
楽しみの醍醐味だと思います。
さらに、世界中のちょっといい感じのレストランには必ず、
赤ワインと白ワインとシャンパーニュ(泡)があります。
赤や白は世界中の生産地があり複雑ですが、シャンパーニュだけは、
フランスのシャンパーニュ地区からのブドウを使ったものしかないので、
ある程度有名なものを知っておくと、世界中のレストランで安心できます。
4回目では、グランクリュの村の地域とブドウの味わいについて紹介します!