『NAMARUPA (ナマルパ)』というタイトルの雑誌があり、
そしてインドの様々な寺院を巡るツアーがある。
インドの都市を巡る旅行(たび)だ。
インドでの交通手段は、徒歩、リキシャ、バス、電車、飛行機だけども、時間もまちまちで
ちゃんと来なかったりして時間帯を合わせてまわるのは難しい。そこで、バスや宿泊地を押さえて
まわるツアーの 『NAMARUPA』 は素晴らしい機会なのだ。
2012年は南インド。タミル・ナドゥ州エリアをまわる旅だ。
ナマルパでは、都市を巡回することをヤトラ(YATRA) と表現する。
ヤトラの目的は、できる限り神聖な寺院を巡礼することにあるのだ。
参加者は、インドスタイルの快適な宿泊施設やベジタリアンの食事、
その地に見合った適切な服装やふるまいを心がけ、シンプルに巡礼を行なう。
町の寺院を周り、その土地のスワミジーたち(僧侶達)による談話やチャンティング、
またリクエストに応じて、賢者との様々な儀式や交流をアレンジしてくれます。
チェンナイから始まり、マドゥライまで約2週間の旅を今年は合計47名の人々が共に移動します。
日本でも江戸時代に「お伊勢参り」が流行しました。それに行くイメージでしょうか?
日本にも周りを見渡せば、寺院や神社が家の周りにあります。インドでも神社がいっぱいあり、
アメリカでも協会が至る所にあると思いますが、クリスマスや新年などしか神聖な雰囲気を感じません。
あえて意識的に神聖さを感じながら行くというのは大事なのかもしれません。
インドでも所々にヤトラという文字を見る事があり、
有名な寺院が企画するものは2万人などが一緒に参加するみたいです。
千年前の人々が天に向かって雨乞いをしていたように、こんなに科学が多くを解明しても
人々は何も変わらず、神聖なものを身近に感じてお願いや感謝をするのです。
神聖な言い伝えは、長い間、多くの共通意識としてその場に存在していきます。
何代にも渡ってジェネレーションを超えて残る意識は、とてつもない力(プラーナ)を持ち、
力強く継続される意識を我々はスピリチュアルなものと感じるのです。
多くの神話と共に、何百年と神や女神へと礼拝が捧げられている場所をティルタと呼ぶそうです。
直訳では、ティルタは川の浅瀬や、何かが交差する場所を意味しますが、
より神々の存在を意識・認識・経験することが出来るスピリチュアルな存在が
交差する場所という意味でもあります。
これを書いていて、やはり浮かんでくるのは伊勢神宮です。
日本書紀から登場する伊勢神宮。
何百年もの間、我々、日本人は神宮に住まう神の殿を20年に一回作り直し、引っ越しさせてきたのだ。
この話をアメリカに滞在中に初めて聞いて、日本に帰ったらお伊勢参りを絶対しようと誓ったを思い出す。
何を血迷ったか、名古屋の実家から徒歩で150キロの道のりを独りで行なったのだ。
あの時は何を自分はしているか分からなかった。ただ神聖な者を感じたかったのだ。
神聖な国、日本に帰ってきたことを感じたかったのだ。
今は、あの時何をしていたか、何をしたかったかが、よく分かる。
日本のティルタ(神々の存在を直感・認識・経験できるスピリチュアルな場所)への
ヤトラ(巡礼)をしていたのだ。
この南インドのタミル地域の神聖な神社を可能なだけ訪れる旅は、単なる観光旅行とは違うのだ。
でも、観光やショッピングなどをする時間もちゃんとあるから、インド自体も感じることが出来る。
ある意味、贅沢な旅・・・
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